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やっぱクレヨンでしょ(*^3^)/~☆

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100人の地球村



[100人の地球村再考]
 いま全国の学校で使われている「100人の地球村」の原典は、実はDonella H.Meadows(ローマ・クラブ『成長の限界』を30歳で書き、2001年2月に59歳で脳膜炎で逝去したメドウズ氏の配偶者)であったとは驚きであり、原作では1000人の地球村であった(以上は目良誠二郎氏のHPから)。ここで再度「100人の地球村」を正確にとりあげて再考したい。

 
もし現在の人類統計をきちんと盛り込んで、
 全世界を100人の村に縮小するとどうなるでしょう。
 その村には・・・・

 57人のアジア人
 21人のヨーロッパ人
 14人の南北アジア人
 8人のアフリカ人がいます

 52人が女性です
 48人が男性です

 70人が有色人種で
 30人が白人です

 70人がキリスト教以外の人で
 30人がキリスト教
 
 89人が異性愛者で
 11人が同性愛者

 6人が全世界の富の59%を所有し、
 その6人ともがアメリカ国籍

 80人が標準以下の居住環境に住み
 70人は文字が読めません
 50人が栄養失調に苦しみ
 1人が瀕死の状態にあり
 1人は今、生まれようとしています
 1人は(そうたった1人)大学教育を受け
 そしてたった1人だけがコンピュータを所有しています

 もしこのように、
 縮小された全体図から私たちの世界を見るならば、
 相手をあるがままに受け入れること、
 自分と違う人を理解すること、そして、
 そういう事実を知るための勉強がいかに必要かは
 火を見るより明らかです。

 もし、あなたが今朝、目覚めたときに、
 病気でなく健康だなと感じることができたなら・・・・
 あなたは今この時に生き残ることができないであろう
 100万人の人たちより恵まれています。

 もしあなたが戦いの危険や、
 投獄される孤独や苦悩、
 あるいは飢えの悲痛を
 一度も体験したことがないのなら・・・・
 あなたは世界の5億人の人たちより恵まれています。

 もしあなたが執拗に苦しめられることや、
 逮捕、拷問や死の恐怖を感じることなしに
 教会のミサに行くことができるなら・・・・
 あなたは世界の30億人の人たちより恵まれています。

 もし冷蔵庫に食料があり、着る服があり、
 頭の上に屋根があり、寝る場所があるのなら・・・・
 あなたは世界の75%の人たちより裕福で恵まれています。
 
 もし銀行に預金があり、財布にお金があり、
 家のどこかに小銭が入った入れ物があるなら・・・・
 あなたはこの世界で
 もっとも裕福な上位8%のうちのひとりです。

 もしあなたの両親がともに健在で、
 そして2人がまだ一緒なら・・・・
 それはとても稀なことです。

 もしあなたがこのめっせーじを読むことができるなら、
 あなたはこの瞬間に2倍の幸福を味わうでしょう。
 なぜならあなたのことを思って、これを伝える誰かがいて、
 そのうえにあなたはまったく字が読めない
 世界の20億の人々よりずっと恵まれているからです。

 昔の人がこう言いました。
 我が身から出る者は何れわが身に返ってくる、と。

 マネーのためではなく喜びのために働きましょう。
 かって一度も傷ついたことがないかのように
 人を愛しましょう。
 誰も見ていないかのように自由に踊りましょう。
 誰も聞いていないかのように伸びやかに歌いましょう。
 あたかもここが地上の天国であるかのように
 生きていきましょう。


 このメッセージが日本に伝わった経過は、Donella Meadows氏(ローマ・クラブ『成長の限界』執筆者の未亡人)→Leipold氏(世界銀行人口統計勤務)→世界銀行の友人→中野裕弓(世界銀行人事カウンセラー)翻訳→インターネット発信・「天声人語」である。このメッセージへの絶賛が日本国内に拡がるなかで、「もしあなたが・・・」以降の言葉を”偽善的”とする強烈な批判も起こっている。自分本位の博愛主義、憐憫の裏にある優越。「貧しいものは、あなたが善行を施すためにいる」といったキリスト教の偽善。
 私は次のような情景を想い出した。ある日の夕飯時に息子が食べ残したときに、「世界では飢えて死んでいる子どもがいるのに、お前は残すのか」と叱責したときに、私の息子がすごくいやな表情をしたことだ。言っている私も実は「こんなことを言うのはどこかおかしい」と内心忸怩たる思いがあったことを。つまり後半のメッセージには、なにか優越者の押しつけがあるのだ。私たちは、自分では善意そのものから発した言葉であっても、受け取る側の尊厳を傷つけている場合がある。かって『一杯のかけそば』というベストセラーになにかいかがわしさを感じたこととも共通している。
 しかし敢えて私は、冷厳な植民地南北問題の事実を共感的に訴えるデモグラフィー(凝縮のリアル感)の優れた教材だと思う。このような問題を人間の優劣の一般的な問題に解消しないで、第3世界の貧困の上に築かれている先進国の豊かさを自己分析し得る契機としたい。いま全国の日本の学校でこのメッセージが使われている。「私たちはまだ幸せなんだ」「日本に生まれて良かった」といったいった結論に終わらせない開発教育の問題を突きつけている。餓死寸前の無辜の民衆に何千万円もする爆弾を投下し、片方で食料の投下を行う偽善者だけにはならないように。(2001/11/12 21:46)



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